それを身から出た錆という

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チベット混乱のニュースから。
「「海外メディアは不公正」 チベット質問に中国不満」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080318/chn0803180829002-n1.htm

「不公正な態度だ」。中国外務省の劉建超報道局長は17日夜、チベット自治区などで発生した暴動に関する記者会見で、外国人記者側が「当局は市民に発砲したのでは」と繰り返し質問したのに対し、声を荒らげて不満をあらわにした。
現地の目撃情報などをもとに「実弾を発射していないとする中国当局の発表は疑わしい」と追及する記者側に対し、劉局長は「みんなはそろって当局側の行為に関心を向けている」と強調。「暴徒がチベットでどのように(建物や車を)壊し、焼き、奪ったか誰一人聞かない」といらだちをむき出しに。
会見は、欧州などで中国の在外公館が投石などを受けたことを発表し「(チベット独立派が)非暴力を唱えるのは欺瞞(ぎまん)だ」(劉局長)とアピールするのが狙いだったが、記者側の関心は中国当局の弾圧に集中、当てが外れた結果となった。(共同)

ま、普段から信用されるようなことをやってればこんなことにはならんのですけどね。日本語では、こういうのを確か「身から出た錆」と言うのではなかったのかと。
それにしても、あれですな、反戦団体とか平和団体とかからさっぱり声を聞きませんな。あと、普段、シナ共産党政府を「大人の政府」と言って高らかに持ち上げていた方々も何も言わないのね。特に、河野洋平衆院議長なんか、国家の最高権力者の一人なんだから、もっとしかるべきコメントを発するべきだと思うのですけどね。
よく日本のことが嫌いな日本人の皆さんは、「日本はアメリカの属国」なんていう言葉を使いますけど、本当の意味での「属国」というのは、今のチベットのような状況を言うのではないかと思います。
ここで、シナ共産党政府に毅然と立ち向かう反戦団体や平和団体があれば、私はそれを認めてやろうと思いますけどね。
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もう1件。日銀総裁の話。
新聞各紙を読んでると、どうも民主党の旗色が悪そうですな。たまには、私も民主党の肩を持つことにしましょう。
今、急速に円高も進んでいて、日本経済どうなるの?という話ですが、簡単に言えば、円高になって困ることは、実はあんまりないと思います。モノが海外で売れなくて困る、ということを懸念しているようですが、その分、輸入してる工業材料の値段は下がるんだから、ある程度まともな経営をしていれば、トントンになるはずで、製造業としては困らない。まあ、金融、証券など、「カネ」しか扱ってないところは困るでしょうけど、正直、それは自業自得だと思います。
しかも、こんだけ政治が混乱してるのに、円が強い、ということは、日本の民度が高いということに他ならない。つまり、政治がバタバタやっていても、日常の生活にはほとんど影響がないほど、システムが安定している国だということです。だから、別に自信を持って良いんだと思います。
で、日銀総裁の件ですが、こんなの一種の実験です。あえて、空白にしちゃえばいいと思います。世の中、いろんなポストがあって、一応、それぞれに必要だと思われてますが、本当にいるの?という実験は滅多にできません。が、現実、去年の夏から秋にかけてば、総理大臣という行政の最高責任者が事実上不在だったのに、別に日本は困りませんでしたな。ってことはですよ、日銀総裁なんて空白でいいかも知れません。どうせ空白といっても、副総裁が代行することになってるんだから、多分困りません。カネ持ちは困ると思うけど、日本国民は総じて、カネ持ちじゃないからね。だいたい、マスコミは「二極化」「貧困」とか言ってるんだから、国民はカネ持ちじゃないって言ってたしね。
結局、考えりゃ何とか回るんだ、という実験をやっていいんじゃないかと思ってるんですよ。だから、ガソリン税暫定税率なんか、撤廃しちゃえば良い。それで道路財源が減ったらやってけないのか。やってけないんじゃないですよね。やってかなくちゃならんのでしょ。それを考えて出てきたことが「知恵」じゃないんですかね。そういう知恵を絞るためにも、日銀総裁はあえて空白。ガソリン税暫定税率撤廃。今、日本にも利下げ圧力があると思うけど、「すんません。総裁が空白ですねん」と断っていい。そうしていろいろ知恵を絞ったらいいんだと思いますよ。
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大阪府民じゃなくて良かったよw

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今朝、久々にテレビのニュースを見てたら、このニュースの映像が出てました。
橋下知事が若手職員を対象に初の朝礼 女性職員が知事に反論」
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080313/lcl0803131157002-n1.htm

大阪府橋下徹知事は13日、30歳以下の若手職員を対象に初めて朝礼を開いた。知事は、予定時間の倍の30分にわたって財政再建や水辺を生かしたまちづくりについて熱弁。「本当は始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になると言われてできなかった」と不満を口にすると、女性職員が「どれだけサービス残業をしているか知っているのか」と反論するなど、初回からヒートアップした。
朝礼は府庁新別館で午前9時15分から行われ、本庁勤務の30歳以下の職員約330人が出席した。
橋下知事は、府庁をプロ野球チームに例え「5位、6位のチームがAクラスになるにも3、4年かかる。5年、10年後を見据えて大阪が変わるための基礎作り、種まきをしていきたい」と改革への決意を表明。「現場の第一線のみなさんが変わらないと、府庁の職員も変わらない」と変化を促し、「大阪を変えるため、府民のために一緒に頑張ろう」と呼びかけた。
さらに、橋下知事は「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるのでできなかった。たかだか15分の朝礼ができないというなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」と発言。
これに対し、後方で聞いていた女性職員(30)が突然立ち上がり、「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。知事は不満があればメールを送れといって、職場を分断している」と反論した。
橋下知事は「ありがたい意見。どんどんいってほしい」と余裕の表情で応じたあと、「サービス残業に感謝している」とも述べた。

ツッコミどころが満載で面白すぎるw。ホント、大阪府民じゃなくて良かったですわ。大阪府民にお悔やみ申し上げたい。
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まず、知事から行きましょか。

サービス残業に感謝している」とも述べた。

あのさ、これはあかんやろ。弁護士だろ、知事さんって。感謝しちゃいかんでしょうが。知事が会社の社長に当たるかどうかは微妙なところでしょうけど、組織管理のトップということであれば、
「残業の実態を把握し、正しく給与に反映します」
と言うべきところでしょ。
民間企業の給与体系には、営業職や研究職を中心に「見なし残業」という制度を採っているところが多数あります。概ね、例えば月に30時間とか40時間とかは残業するだろうから、それを込みで給与に入れてますよと。ただし、時間管理は各社員の裁量に任せますよ、という制度ですね。これはこれで、労務管理のあり方で問題になる部分も含んではいますが、この制度の適用対象だと、上手く仕事をやれば、残業しなくても残業代分の給料はもらえることになるわけだし、仕事が十分にこなせなかったら、見なし時間以上の時間、働く必要も出てきますね。
しかし、恐らくですよ、公務員の非管理職には、この制度は恐らく適用されていないと思います。もし、適用されてるのなら、そもそもサービス残業という概念は出てきませんからね。ということは、この反論した女性職員は、時間管理労働者ですから、労務管理側としては、サービス残業をしている、と本人が主張しているのですから、労働実態を調べ、正しく給与に反映させなければなりません。
その辺、法のプロなんだから、しっかりして欲しいですな。
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んで、この15分の朝礼に文句を言う職員がいるという、大阪府庁の実態がすごい。
なかなな組織のトップの話を直接聞く機会なんて、大阪府くらい肥大化してる組織ではあり得ないと思いますがね。この15分を、自分にどう生かすか、ということを考えられないほど、大阪府の職員さんは頭がカチコチなのかしらん。
言い方悪いけど、15分ほど、話を聞く振りして、今日の仕事の段取りを考えておこうとかでもいいわけでしょ。何でもかんでもマジメに対応する必要なんか、ないと思いますけどね。サボり方もイマイチ下手なんだよなw。
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で、まあ、最後にこの女性職員にも。

これに対し、後方で聞いていた女性職員(30)が突然立ち上がり、「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。知事は不満があればメールを送れといって、職場を分断している」と反論した。

まあ、前者はいいと思いますよ。いいとは思うけど、大阪府の財政状況を見ると、当事者意識があれば、なかなか勇気のある発言だと思います。大阪府労組は大変だろうなと思います。
というのも、労組と使用者が闘っているなんていうのは、民間の場合、ほとんどありません。マスコミは「春闘」というけれど、民間企業と労組はみんな「春季交渉」と言っている。今の労組で左派的な闘争運動をやろうとしたら、まず組合員がついてこない。今、労組の民間企業における役割というのは、労働の「現場の代表」だということです。労働の実態、士気、安全管理など、現場の目で見た情報を元に、会社に伝えるのが役割です。会社が現場を見ようとすれば、その分、新たにその役割の社員を雇う必要がある。しかし、労組がきちんと機能していたら、社員がわずかな自腹を切ることで、自分たちの仲間から労組の役員を出し、代表者として使用者側と協議できる。この方が、実は安上がりなんですよ。今まで、私も「社会的コスト」と「信用」という観点で書いてきたけれど、労組と会社(使用者)の関係もまさにこれ。労組と使用者、労組と組合員の信用が築かれていることによって、会社のコストが結果として下がるわけです。
つまり、この女性職員が突発的にサビ残の実態を主張したということは、大阪府職員労組が全然機能していないことを、曝露したということです。官公労は選挙では大量の組織票を動かして来ましたが、肝心要の職員のためには働いていない、ということなんですね。
ま、もしかすると、この女性職員は、労組には入っていないかも知れません。民間企業の労組の多くは、社員であること=労組の組合員であること、という労働協約を会社と交わしているので、管理職でない社員は組合員ということなんですが、これが官公庁に当てはまっているのか、そこは私はよく知りません。
だとしても、普通、労組というのは組織維持、拡大をするために、非組合員のことも考えるのが当たり前といえば当たり前ですけどね。
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このニュース、そういう意味では実に興味深い。これを機に、大阪府労組を徹底的に調べ上げるとよいと思いますよ。私は、以前にも書いてますが、そもそも公務員においては、労使関係は成り立たないので、官公労の存在は認められないという立場にいますのでね。
まあ、官公労ってところは、郵政改革もそうだったし、大阪市日教組ヤミ専従問題とか、いろいろありますからね。そもそも、民間労組でこの手の問題が起きても、自分たちのカネの範疇だから、まあ、何とかよろしくやってくれ、としか思いませんけど、官公労ってところは、どっちにしても、我々の税金から原資が出てるんですからね。その意識が、今の官公労にあるとは思えませんからね。
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テレビの方が悪いだろ

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最近、よそ様のブログをROM状態でありました。自分で書こうと思っても、夏坂健さんの本があまりに面白くて、書く時間がもったいないくらい面白い。これは、夏坂健さんの著作ではなくて、訳者なんだけど、「ゴルフ大全」という本は、ゴルファーは絶対に読むべきです。amazonで検索したら出てきますから、絶対に買って欲しい。
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ゴルフの話はさておき、いつも世の中のおバカなニュースを、2ちゃんねらーの皆さん(ある意味では市民のホントの声に近いと思ってますが)の反応とともに紹介する、「痛いニュース」さんが、相変わらず面白い。本日のネタはこちら。
「「ネットで頭がバカになる!引きこもりや離婚が増える」「ネットは1日1時間に制限すべき」 テリー伊藤、主張するも“否決”」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1101938.html
何だコリャ、って思いましたが、否決でも20人中9人が賛成してるんだって。そこも面白いですわ。風が吹けば桶屋が儲かる、というつもりで言ってるんならいいんですけどね。これをまともなロジックだと思って言ってるテリー氏がちょっと可哀想です。
まあ、これをテリー氏がブチ上げた本音は、2ちゃんねらーの皆様の反応の中にもあるんですが、テレビの広告収入が減っている、あるいは減るかもしれない、という危惧からだと思います。しかし、ネットのせいでテレビが見られなくなっているんじゃないと思いますけどね。私は、地上波放送なんか滅多に見ませんから、ネットと地上波放送を見ないこととはそれほど連動しているわけではない。
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しかし、この「太田総理(笑)」という番組のパネラーってのはひどいね。金美齢さんは、もっとマシ、というか、論壇の中では最もマシな人かと思ってましたが、

政治コメンテーターの金美齢さんは、「ネットにのめりこむ社会の共通点は、人間がどんどん小粒になっていること」と発言。内向的な人間が増えているばかりか、何かあったらパソコンの電源を切り「リセット」する、というネットの性質が人間に悪影響を与える、と断じた。

って何ですのんw。だいたい、人間の「大小」を言い出すこと自体、すでに語彙力不足だと思いますしね。それにパソコンの電源切ってリセットって何やねんとw。ゲームと完全に混同しとりますがな。
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順序が逆になったけど、こんな先生に習う生徒も可哀想ですな。

番組に出演した中学教師の金子毅さんは、テリーさんの意見に同調し、「ネットがあることで、子供の学ぶ意欲が低下している」と話した。ネットで検索すればすぐにわかるため、「いちいち学んでもしょうがない」と考える子供が増えているのだという。

昔から、百科事典では勉強できないって教わったものですけどね。百科事典やハンドブックの類は、入り口なのであって、そこに回答があるわけじゃないことくらい、当たり前のことで、百科事典やハンドブックの機能をネットが兼ね備えているだけのことだと思うんですよ。
子供がいちいち学んでもしょうがない、と思っている理由は別のところにあるんです。親、大人が思ったとおりに育ってくれないと、怒られるわけでしょ。子供が子供らしいのは、親や大人の思い通りにならないというところにあるのだけれど、今の社会はそれを全否定してるじゃないですか。人間の変化は、認めない。認めるのは、予定されたとおりの変化だけ。予測できないことを嫌うんですよ、今の社会は。学校の生徒たちは、その大人の社会を学校の先生を接点にして覗いているわけですから、「学んでもしょうがない」と思っている子供に接している学校の先生は、ネットに罪を被せる前に、自分の普段の言動を反省した方がいい。
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で、いらんことを言うから、無教養、読書したことがないのがバレちゃうw。

テリーさんは、ネットで発生したおかしな例として、ブログを挙げた。ブロガーは、半径5メートル以内の居・食・住のことしか書いていない、というものだ。

私小説って、この範囲なんだけど、どうなんですかね。日本独特の文学形式でもあるし、よく考えたら、枕草子なんか、日本最古のブログですわな。あれに勝るブログは見たことがない。
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私が小さい頃は、テレビばかり見ているとバカになる、とよく親から言われたものです。私の親は、ラジオ世代だからね。恐らく、ラジオばかり聞いてるとバカになる、と言われたんじゃないかと思いますな。いや、昔は大人がもっと忙しくて、子供に構ってられなかった。だって、私の両親の生まれた頃は、戦中の昭和19年。幼少期は、昭和20年代でしょ。明日食うものがあるかないか、という生活では、大人は子供に食わせるものを見つけてくるので精一杯。子供に構ってる暇がなかったんでしょう。その分、子供は好き勝手気ままに「変化」、つまり成長できた。それはさておき、テレビ世代の人間が親になったら、今度は子がネット。で、ネットをしたらバカになると。
ま、いつの世にもこういう議論はあるんだと思うんですが、ラジオ、テレビ、ネット。この3つの中で、最も想像力を不要とするものが、テレビであることは間違いがありません。ってことは、やっぱり私は、テレビを見るとバカになる、というのが最も正しいものに近いんじゃないかと思いますけどね。
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手柄が立てられないからね

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「航海長聴取「海保が了承」、虚偽の疑い…防衛次官」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080227-OYT1T00639.htm

海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、防衛省増田好平次官は27日夜、同省内で記者会見し、あたごの航海長(交代前の当直士官)をヘリコプターで同省に運び事情聴取した経緯に関し、海上保安庁に事前に了承を取ったという同省の報告に虚偽の疑いがあることを明らかにした。

さて、最近、私はすっかりテレビのニュースを見なくなりました。それどころか、平日はほとんどテレビを見ない。帰宅して、飯食って、風呂入って、カミサンと話をする。特に平日、育児に関われない身としては、カミサンの話を聞くのがとにかく大事なんです。横道に逸れましたが、とりあえずテレビを見ないし、新聞も斜め読み程度なので、マスコミがこの問題をどう扱っているのかは、実は知りません。まあ、恐らく「防衛省の腐敗体質だ」というような論調で、ほぼ統一されているんだと思います。
まあ、それは事実。実際に虚偽だったにしろ、そもそも国民の安全を守るべき軍、すなわち自衛隊が哨戒不全による衝突事故をすること自体、たるんでいると叱責されても仕方ない。ただ、こういうときに防衛省ならずとも、何かと役人さんという商売は、最初に隠そうとしますわね。それはなぜなんだろう、ということを考えた方がいいと思います。
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で、まずは話を防衛省に限定してみましょう。
自衛隊だとか防衛省だとか言ってますが、要するに、普通に考えりゃ、軍隊ってことですよね。軍の現場、つまり制服組とか言われる面々は、士官学校である防衛大学校を出て、士官になるわけですね。
軍隊ってのは、そもそも軍事力の行使が一種のお仕事です。一番イメージしやすいのは、戦争ですが、それだけじゃなくて、平和維持活動だとか、あるいは重度な災害が起きた場合などに布かれる非常事態宣言下や戒厳令下での統治行為も軍のお仕事になります。ところが、自衛隊っていう組織は、そもそも憲法上、軍隊としては認められてません。自衛力なんだそうで、そういう話から、つい最近までは平和維持活動にすら出て行けなかったし、阪神大震災のときはあの無能な左派政党の党首が首相だったために、国内の復興活動にも即時には参加できなかった。さらにいえば、日本国憲法には非常事態宣言や戒厳令の規定がありませんから、そもそも本来、軍事力が必要な場面は、法制上、想定されていないわけです。
これ、要するに、軍事力を担っている自衛隊としては、活躍の場がないってことなんですね。個人に置き換えたら、昇進する場面がないってこと。つまり、防衛省内部、特に現場の人の評価は、減点主義になっているんですよ。問題や不祥事を起こさないことが満点で、何かあれば必ず減点されていく。減点の少ない人が、上位階層に残る、というのが、暗黙のうちに出来上がっているんじゃないでしょうかね。
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だからといって、即戦争しましょうって言ってるんじゃない。明治陸軍の大将で、日露戦争でも軍団司令官として活躍した、黒木将軍は「平時のときにじっくり何もしないでいることこそ、軍隊で最も必要なことだ」という意味のことを言っている。武を司る人間として、そういう気持ちは常に持っておかなくちゃならんとは思います。
だけど、国際的に必要とされていること、国内においても軍事力が必要とされる場合などには、その力を発揮するような仕組を作ることも、防衛省のモラル向上に繋がるのではないかと思います。
恐らく、これは防衛省に限らず、役人さんにすべて当てはまることだと思います。役人さんでなければできないことを、役人さんにやってもらう。そういう仕組を作ることも、この手の官僚不祥事減らす一助になるのではないかと、私は考えます。
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亡国の徒

「「米の作りすぎは、もったいない!」に農家反発」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080225-00000109-mai-soci

東北農政局が作った「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」というポスターに対し、地元の農家が「一生懸命米作りをしている農家の誇りを逆なでしている」と激しく反発。東北6県の農家約6000戸でつくる東北農業農民団体連絡協議会が25日、同局に文書で抗議するとともにポスターの回収を求めた。
「米の生産調整」への理解を深めてもらおうと局内で文言などを検討し、3万枚作製。今月から東北地方の農協などに張り出された。「MOTTAINAI」という文言付きで、「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」「限られた水田を有効利用することが、国民共通の利益」などと呼び掛けている。
抗議文は「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」と指摘。連絡協議会の佐藤長右衛門会長は「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え。カラー印刷で3万枚作成する金があれば、もっと他の施策に使うべきだ」と話した。
同局は「米価下落で生産調整が緊急の課題。決意の表れとしてインパクトのある言葉を選んだ。誇りを傷つける意図はない」とし、ポスター撤去などの予定はないという。

これぞ亡国の徒ですな。一番もったいないのは、この農政局の役人に給料を払ってることですわな。
で、要するに、本来ならば自由経済下に置かれるべき米価を、役人がコントロールしていて、その権限・権益を手放しませんよ、という決意なんですね、これは。だから、もう役人が関与するな、と言いたい。
これだけ日本は米作の適地なんだし、これまでの品種改良の努力もあってとても旨いコメができるんでしょ。だったら、まともな農政局の役人なら、自由経済下において国民により安価で提供することを考えるべきだし、余剰分を世界各国で流行しつつある日本食の根本原料として輸出する方策を考えればいいんでしょ。
それから、もう一つの視点は環境問題ですよ。日本の風景や景観、環境は水田耕作が大きく関与しています。それを畑作に転換した後、どういう変化が起きるかについては、実はよくわかっていないと思うんです。その辺りのことを十分に考えて、考え抜いて、そして影響が甚大になったとき、どこで手を打つか、ということまで考えているんでしょうかね。ま、役人のことだからきっと考えていないと思います。
しかし、農協もこれ、配られたら掲示は拒否しろよ。

社会コストの範囲

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今朝の朝刊を見てましたら、件のギョーザ事件で冷凍ギョーザは売れず、ギョーザの皮とひき肉が売れてるんだそうです。
ア ホ か っ て の 。
まあ、自分で作ろうと思っただけマシですけどね、でもまだ本質的な解決になってませんから。ギョーザの皮の材料の小麦粉だって、輸入品ですぜ。
この事件には、実は二つの問題があります。一つは、「泥酔論説委員の日経の読み方」さんが書かれているように、これは単なる事件ではなくて、食品テロの可能性がある、ということです。これは、泥酔さんにお任せします。
もう一つは、何度も書いているんですが、都市社会のリスクだということです。
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都市社会は、結局のところ、田舎以上に信用がその社会コストの多寡を決定するんです。田舎は、顔見知りを信用して、見知らぬヤツは不審者だとしておけばいい。その分、社会というか世間の範囲は狭いですが、こうすることで社会コストは徹底的に削減できるわけです。江戸時代にあった五人組制度だとか庄屋や檀家による地域行政代行というのは、進歩的歴史観から見たら、抑圧・監視ということでしょうが、この方が社会コストが安く上がるということだったんですよ。
それがだんだん都市化してくると、顔見知りじゃない人が自分の生活に関わるようになってきます。例えば、今、日本は全国的に都市社会になっているわけですが、誰が電気を作ってるのか、誰が家電製品を作っているのか、誰が今日の飯の材料を作っているのか、誰が産地から運んでいるのか。この「誰」は、誰だかわからないものを信用する必要が出てくるわけです。もちろん、無条件に信用できれば、これに越したことはない。しかし、中には今回のようなテロを企てるヤツもいるでしょうし、使ってはいけないようなモノまで売るような輩まで出てくる可能性がある。実際に、そういう人間はいたし、今もいるわけでしょ。
そうなると、今度はみんなでお金を出し合って、監視する役目の人を雇いましょう、ということになるわけです。監視の基準を決める人も必要です。で、問題になったときにそれを裁く人も必要です。結局、こうして官僚制が都市社会には必要になってくるわけです。ということは、問題を社会で処理しきれなくなればなるほど、その分、官僚制は肥大するんです。
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今回のギョーザ事件でわかったことは、今の日本社会は、実は国外にまでその信用範囲を広げているということなんです。で、今回は信用のもとにやっていたら、そこに悪いヤツが付け込んできた、ということなんですよ。事件の真相究明は大事ですよ。でも、シナが悪い、日本が悪い、ということは、実はどうでもいいことなんです。今後、日本はシナ産からの輸入食品に対しては、検査・監視を強化する方向に進むでしょう。もちろん、日本への輸出が外貨獲得の大きな資源になっているシナにしてみても、信頼されないのは困るから、そちらだって監視体制を強化すると思います。で、その結果は、結局、社会コストが上がるということなんです。そこに張り付く日本の役人がいるわけですから、その行動の原資は税金から出る。そして、その税金から出た検査体制のお陰で、商品自体にコストもかかるようになる。つまり、税金と商品価格の二重の社会コストが発生するんですよ。
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例えば、日本が自分で本当に食ってゆけない程度の潜在的生産力しかないのなら、これは話は別です。そういう国は、外交達者にならざるを得ない。しかし、日本は1億人くらいは余裕で食っていけるだけの潜在的生産力があるわけです。こういう国なら、別に外交が下手でも構わない。食えるんだから、それでいいはずです。食えるのに、都会人のエゴと欲望で、より安いものを購入しようとして、世界中からモノを集めてる。しかし、そこの国々を容易に信用してよいものか、ということが、今回の事件の本質だと思うのです。
信用しない、というのではなく、結果的にできるできない、ということだと言ってもいい。シナの場合、日本とはかなり衛生感覚も異なるわけで、そういう国から食品を輸入することは、ある意味では勇気のいる行為だと思うのです。つまり、信用するのに勇気がいる、というのは、その勇気が裏切られたら一気に社会コストが上がりうるということを示しているわけです。これは、シナが悪いとか、そういう話じゃない。
つまり、社会的な信用の範囲は、ある程度、適正なサイズがあるということだと思うのです。そりゃ経済的に見たら、モノはお金という記号に変換されるから、そんなもの信用の範囲は無限ですわって言うでしょうよ。だけど、実際にはカネは食えないし、結局、食べられるモノ、使えるモノに置き換える必要がある。その「モノ」については、信用の適正な範囲が存在すると思うのです。
それが国家の適正な規模だし、あるいは、貿易を行う場合の、協定の範囲だと思います。そういう観点では、日本は鎖国した方が実は安上がりなんだと思うのです。だから、徳川幕府鎖国をしたんでしょうな。もちろん、今のご時世に鎖国なんてできませんが、鎖国政策の中をもう一度、吟味してみるのは、役に立つ話だと思います。シナだって、あの大帝国を維持するために、多くの王朝は鎖国をしてたということも、興味深いと思いますし、実は丁寧にシナ史を紐解くと、単一王朝が支配していた時期よりも、分裂していた時期の方が長いという人もいるくらいです。それは、実はシナ大陸に単一政権があることは、そもそも社会コストが大きすぎるということを示している気もします。
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結局、こういう問題は、最後のところ、都市化の問題に行き着きます。もちろん、田舎賛美原理主義もよろしくないとは思いますが、都会の人は、すでにその環境自体が都市原理主義だということを改めて、考えてみてはどうかと思います。
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カニ食ってきました

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昨日、カニを食いに敦賀まで行ってきました。
拙宅からクルマでも行ける距離なんですが、雪が降るかも知れないという気候、そして見知らぬ道、さらに子供二人連れという状況なら、私は迷うことなく公共交通機関を選択します。ということで、米原から特急しらさぎ号を使う旅。電車大好きな長男大喜び。次男は、気持ちよく電車に揺られてグッスリでした。
カニは、子供二人ということもあって、高級店には行かず、とにかく安上がりで食えるところを探しました。で、見つかったのが、「リラ・ポートつるが」という施設。
http://www.relaport.com/ ← こちらがHP
舌の肥えている自信のある方にはお奨めしませんが、餃子の王将が十分に旨いと思われる方ならば、お奨めです。レストランの普通のバイキングに、カニが付いているだけっていうシンプルなバイキングでしたが、十二分にカニを満喫してきました。茹でガニの剥き身を作るコツもつかみましたしね。この冬は、もうカニいらないけど、来年また食べに行こう。
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大阪府知事選挙の話。ですが、どうでもいいです。大阪府民じゃないので。橋下さんに一言申し上げたいのは、子育て世代を応援する政策は、大変素晴らしいと思う。ならば、自分たちが食べているモノ、飲んでいる水など、そういうものがどのようにして存在し、誰のおかげ(人だけじゃなく、自然の恵みという意味でも)で自分たちの手元に届いているのかを、しっかり、子育て世代の親にも教育してやって下さい。よろしくお願いします。
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マスコミが一人の有望選手を潰した話。大阪女子マラソンの件。
マスコミ(産経新聞とその系列テレビ局)の、猛烈なF選手への肩入れ具合は、一体どういうことなのよ、と。まあ、小倉智明が応援した時点で、すでに敗北フラグは立っていたわけですが、それにしても、そのドラマ仕立てがひどすぎる。
F選手に肩入れし、彼女が「独走で勝つ」みたいなシナリオを公開しておいて、他の選手は「タイム平凡につきイマイチ」なんておかしいでしょ。他の選手から見たら、独走宣言しているトラックのスピードランナーに付いて行こうとは誰も思わんでしょうに。
結局、自分たちの主催大会だからと、大きな広告を打ったがために、その大会から五輪選手が出てこないというアホな話になったわけ。
スポーツは筋書きのないドラマ、というけれど、いつの間にか、こういうところにまで、前もってシナリオを準備しないと、報道できなくなってしまった今のマスコミの「ショボさ」を表しているんだと思います。
日本スポーツ界の再生に一番必要なのは、マトモなスポーツ報道なんでしょうな。だいたい、本来は、誰が金メダル取ろうが、国政以上に他人には無関係な話ですよ。これほど客観的に報道できる内容もないでしょ。それができないんだから、まあ、政治だの経済の報道がマトモなはずがないですわな。
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